2014_0118_142908-DSC_0551

冬の朝 ここ北海道では マイナス15度くらいまで冷え込むと
窓ガラスにこんな模様ができているのを見つけます.。他の土地でも見られるのかしら?)


あまり知られてはいませんが これは“氷の彫刻家”といわれる妖精がせっせと彫った彫刻なのです。


人々が寝静まった夜遅くや早朝 
彼らは作業鞄に手入れの行きとどいた“のみ”や“木槌”を入れ 
それぞれ自分たちの気に入った窓ガラスのところへ さっそうと出かけて行きます。
そして窓についた氷に模様を彫り込むのです。

彫りあげられた模様は一つとして同じものがなく それぞれの妖精の性格によってでしょうか
繊細ではかなげなものから大胆で力強いものまで様々です。

彼らは人間にその姿を見られてはいけないため その日のキャンバスである窓ガラスの前に着くと
瞬時のうちに模様を決め またたく間に彫りあげなければなりません。
時間が足りずに途中で彫るのを断念する未熟な者がいたかと思えば
一見「これは製作途中?」と思えるような 余白を生かした作品を彫るものもいます。
または「やりすぎでは・・・?」と思えるような手の込んだものまで・・・
ひとつとして同じ作品はありません。

短い時間の中でどれだけ素晴らしい作品を仕上げられるかという以外に 
妖精たちがこだわる点は キャンバスになる窓ガラスのある場所です。

朝日が昇り 生まれたての透明なやさしいオレンジの光がまっすぐに差し込む
南東に面した窓ガラスが もっとも人気の 制作意欲が湧くキャンバスらしいのです。
明るい部屋の窓ガラスに彫り込まれた作品はわれわれ人間の目にも留まりやすく
自分の作品を少しでも多くの人間に愛でてもらいたい妖精たちは
文字通り 自分の作品が「陽の目を見る」ことが出来るよう 気に入った窓ガラスを見つけると
キャンバスの取り合いをするほどです。
*「陽の目を見る」という言葉の語源はこの妖精たちの行動から来ているとも言われています。

もっとも 彼らによれば 他にも朝日の射す場所を選ぶ理由があるそうです。
彫り上げた芸術的な作品が 神聖な朝日に祝福され 一瞬 光り輝き
その後 その陽の光によって 作品そのものが溶けてなくなってしまう 
その“はかなさ”が作品には重要なのだそうです。
「昔の作品がさ、ずっと手元に残るってのはさ、自分が成長出来ない気がするんだよね」
ものづくりの はしくれであるわたくしも その気持ち 少しわかる気がします。

でも中には陽の当らない暗い北側の窓ガラスを選び 
なるべく長く 自分の作品が溶けずに残る事を望む妖精もいますし

「彫る事が好きなだけ。だから作品が誰かに見てもらえなくってもいいんです」
そう言って 暗い部屋の窓ガラスでひっそりと仕事をする妖精もいるのです。

そういう妖精達の彫刻は人間であるわれわれの目に留まる機会も少なくなるため
かえって レアな作品として希少価値があるという噂もあります。



私がこちらに暮らし始めて この妖精たちの氷の彫刻を始めて見た時
そのすばらしい造形美に胸をうたれました。

自分も ガラスの作品でこんな美しいものが作れたら・・・

いまでも 憧れです。


本日は彼らの彫刻作品をあといくつかご紹介しますね

植物を思わせる
まるで植物を思わせるかのような造形

繊細手の込んだ作品
繊細な文様ですね~                                     こちらは手の込んでいること!


製作途中?余白

製作途中?                                       余白の使い方が素晴らしい!

陽の光
朝日が差し込んできました

バックの空の色とのコラボ
バックの空の色とのコラボレーションが素晴らしい!


追記:
なんでも 彼らの大事なキャンバスである窓ガラスを
冬になる前に きちんと拭いておかないと
彼らは作品が汚れるという理由で 彫刻の手を抜くそうですから
美しい作品が見たいお方は ぜひ、窓ガラスをていねいに拭いておくことをお勧めします。