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いよいよ新学期
チビさんと親しい同級生や1才上のお友達が 一足早く保育園や幼稚園に入っちゃったので 
ちょいとさみしい新学期

皆さん入園おめでとう
これまで一緒に遊んでくれてありがとう
もう わくわく広場では一緒には遊べないけれど teto² に遊びに来てね~
待ってるよ~!





さて 東京プチ旅日記 の part 2です


前回記事の東武博物館の帰り 
実は今回東京へ行ったらぜひ行きたかった場所の一つへ
眠くなるチビさんをひっぱりながら 浅草で下車

駅から徒歩で10分ほど AMUSU MUSEUM という美術館へ



以前友人のウエブサイトで紹介されていた日本の布文化の展示を観に行きました


布文化といっても 美しい織物・染物などではありません

タイトルは         
『布の絵画BORO ~美しいぼろ布展~』
2015_0319_140319-DSC_1819

青森出身の民俗学者  田中忠三郎氏(2013年没)コレクションを集め展示したものです 


かつて 今よりずっと 物を大事に扱ってきた時代 
寒さ厳しい青森を中心とする東北の農村の人々が
布をどれほど大事に思い 扱ってきたかを
残されたボロボロの無言の布たちが 見る人にものすごい迫力で語りかけてくる展示でした



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今では信じられないことですが 
昔は一家の女性たちが
家族の衣類や布団などをすべて自ら作り管理し
同じ着物を何世代にも渡り着るのが当たり前でした




2015_0319_142854-DSC_1831
当時は 寒さが厳しくとも暖房などなく 
女性たちは家族の命を守るため
着古して薄くなった布や 
寒い土地でも栽培可能だった麻等の
目の荒い布を何枚も重ね 刺し子を施し補強し
綻びにはツギを当て 
それでも使えなくなると細く裂いて 
再び新しい布を織ったそう



貧しさとの戦いであったろう農村の人々は
「布を切るのは肉を切るのと同じ」「小豆の粒を包める大きさがある布は捨てるな」
代々このような教えを伝え
布を命のように大事なものだと考えていたのです



BlogPaint                                                     お産の時には 
何世代にもわたる着古された着物や布地を
丹念に重ねて縫われた布団のような布(ボド)により
生まれてくる子供を包んだそう



そこでは 布は 単なる身につけるだけのものではなく
食べ物と同じように(時としてそれ以上に)大事な生活必需品であり
財産であり 代々の血のつながりを感じさせる存在であり
また「家族の絆があなたを守ってくれますように」といった
貧しい暮らしの中で 子供が健やかに育つのは大変であった時代
「無事に育ってほしい」と願う切実な親の思いも込められたお守りのような存在であったのです



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そして驚くべきは そのツギ当ての色の合わせ方や
刺し子の技術の高さやセンスの良さ

農婦たちが 小さな布切れを 
どう重ねればいいのかをデザインし
縫い合わせ1枚となった ボロ布(BORO)は
現代美術で言えば 
質の高いコラージュ作品と言えるほど
美しく かっこいい!

今やこの美しさは
世界のファッション界でも認められていて
「BORO」という言葉が通じるそうです

う~っむ 納得




衣服の2015_0319_141011-DSC_1820補強のために施された刺繍(刺し子=津軽地方の刺し子の事をこぎん刺しという)の模様(モドコ)の美しさは圧巻でした

貧しくとも 農婦たちは 心が荒むのではなく
おしゃれ心を忘れず 技術やセンスを磨きあげ
今では津軽の和裁文化「こぎん刺し」として
多くの人に楽しまれるほどに

電気などなかった時代です 
ミシンはもちろんありません 明かりだってろうそくとかでしょう…
農作業や家事を終え 疲れた体で農婦たちは 暗い手元で 家族のためにこんなに細かい 繕いものをしたんだろうと思います






2015_0319_141115-DSC_1822これまでGallery teto² でお付き合いがあった
こぎん刺し作家さんの作品を通じて
「こぎん刺し」については多少知識があったものの
実際どのようにその技法が生まれ 
暮らしの中に溶け込んでいたのかを見知ることがなく

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              この細かい刺子 拡大してご覧になって!


友人のサイトでこの展示会を紹介していたのを見た時
当時の「こぎん刺しが施された衣服」の実物が見られる!
そう思い飛んで来て 本当によかった







その文化が育まれた背景を
ほんの少しでもこうして見て(なんと写真撮影オッケー) 
しかも全作品手で触れてよい!!! ので触れて
当時の人々の つつましやかで でも力強く 
そして美しい“用の美”をたたえた生活を身近に感じられて
大満足の展示でした



友人も書いておりましたが 
このコレクションは田中氏の長きにわたる地道な苦労がなければ存在しなかったであろうし
またそのコレクションの重要性や美しさと言った価値に気づき
このような美術館を作り上げたアミューズさんが存在しなかったら見ることができない展示でした

このお二方(片方は会社ですが・・・)に私も心から感謝です



そしてつくづく自分の暮らしの中で 布を大事にしていないな。。と心から反省
靴下は穴があいたら 繕うことなく 掃除などで使う程度で捨てていました

安く買えるから…ではなく
もっと根幹のところで
自分の暮らしを見直さないといけないな~。。。

見どころ充分の展示だっただけでなく 
重たいものをしっかり受け取った そんな美術展でした



東京の方はぜひ
遠方の方も 東京に行かれる際は 浅草浅草寺の近くなので観光を兼ねて♪



あ、急な階段で2~4階まで上がるので お年寄りや小さなお子さん連れは厳しいかも

そうです 眠くなり かなりぐずるチビさんに付き合ってもらっちゃったので
階段も抱えて昇り降り お菓子でごまかしながら の観覧

もう少しゆっくり見たかったのが本音です 笑

でも付き合ってくれてありがとう チビさん