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さてさて
先先週ですが無事に企画展『Animals』終了いたしました。

予告していた番外編③は 出版されたばかりの素敵な絵本のご紹介です


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ぼく 生きたかったよ 

~ くまのおやこ ニコー と リコー ~

絵と文 すずきまいこ  
かりん舎

かりん舎 HP ブログ







企画展 参加作家さんのお一人 
増田寿志さんの奥様が 企画展のコンセプトに合うのでは・・・と
最近お知り合いになられた 
すずきまいこ さんの絵本を搬入の時に持って来られました


この絵本 2ヶ月ほど前に出版されたばかり





まずその絵の迫力に圧倒され
読んでみて 描かれたお話し(実話)に胸が締め付けられました


こうしてご紹介が遅れたのは
自分の中で 悲しんでいるだけじゃなく 
自分が感じたことを きちんと紹介できるかな。。。
と自信がなかったから




お話しは 動物園の動物たちが戦時中どのような目に遭ったのかを
直球で伝えるものです

なので 読む人によって 辛すぎて直視できない現実ととらえる人もいるでしょうし
戦争というもののむごさ 悲惨さを感じる人もいるでしょうし
じっくり読めば読むほど 人間の動物に対してしてきたことの罪深さを感じてしまう
私のような人もいるのだろうと思います

救いがあるか?と聞かれると
そこに救いはありません



だってね 
やはりどう言い訳したって (戦争が理由だったとしても)
これまでだって自分たちの都合で
生きてきた大地から引きはがすように連れて来て 檻に閉じ込めていた彼らを
殺していいはずがないのですから



でもこの救いのないお話しに目をそむけてはだめなんだと思うのです

美談になんかしちゃダメで しっかり伝えるべきなんだとおもうのです

すずきまいこさんの描く熊の親子は 
そんな人間の弱さまで ズバッと射抜くような鋭い目でこちらを見ています



鈴木さんのご好意で
まだしばらく
teto² ではこの絵本を置かせていただくことになりました

ぜひぜひ一度お読みになり
自分の心の中になにが残るのか じーっと見つめてみてほしい

そんな絵本です





*追記*
そしてもう一歩進んで考えるなら・・・・・

動物園の存在理由まで いろいろ思いを馳せてもらえると
嬉しい。。。

というのも
解説に寄せられた一つの言葉
「Zoo is the Peace」(動物園は平和そのものである)
私はこの言葉にかなり違和感を感じたのです

お話しは動物園そのものを肯定や否定する内容ではないし
おそらくこの言葉も 
動物園が存在できる根底には 平和が存在することを言っているのだとは思うのですが
私自身は動物園の存在意義が 動物達の立場から見て 
正当化できるとはとても思えなくって・・・・・

だから「平和そのもの」という個所に人間のひどいエゴを感じてしまったのです



”動物園はいらない”

そう考える人がいてもいいと思うのですよ